制度の概要
※省エネポータルサイト、パンフレットより一部抜粋
省エネルギー投資促進に向けた支援補助金には、「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金」と「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」の2つの種類があります。
それぞれ対象となる事業区分が異なり、
「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金」は
「A. 先進事業」、「B. オーダーメイド型事業」、「D. エネルギー需要最適化対策事業」の3つ、
「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」は
「C. 指定設備導入事業」、「D. エネルギー需要最適化対策事業」の2つの事業が対象です。
なお、「D. エネルギー需要最適化対策事業」はAもしくはB、またはCの事業と組み合わせて申請が可能なため、Dのみの単独申請はできません。
また、「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」は2次公募(2023年6月30日公募終了)の時点で予算を超える申請があったため、3次公募を実施する予定はありません。
A. 先進事業
事業要件 | 資源エネルギー庁に設置された「先進的な省エネ技術等に係る技術評価委員会」において決定した審査項目に則り、一般社団法人環境共創イニシアチブ(以下、「SII」という)が設置した外部審査委員会で審査・採択した先進設備・システムへ更新等をおこなう事業です。主に①導入ポテンシャル、②技術の先進性(非化石転換等)、③省エネ効果の先進性が認められたものが支援されます。 |
補助上限 | (a)先進設備・システム SIIがホームページで先進設備・システムとして公表した補助対象設備 先進設備・システムの補助対象設備一覧 |
省エネルギー効果の 要件 | 申請単位において、原油換算量ベースで以下いずれかの要件を満たす事業 ① 省エネ率+非化石割合増加率: 30%以上 ② 省エネ量+非化石使用量: 1,000kl以上 ③ エネルギー消費原単位改善率:15%以上 ※複数の対象設備((a)先進設備、(b)オーダーメイド型設備)を組み合わせて申請する場合、各設備の省エネ効果の合算値で上記要件を満たす必要があります ※非化石転換の場合も増エネ設備は対象外です。 |
補助対象経費 | 設備費、設計費、工事費 |
補助率 | 中小企業者等:2/3以内 大企業・その他:1/2以内 |
補助金限度額 | 【上限額】15億円/年度(20億円/年度) 【下限額】 100万円/年度 ※複数年度事業の1事業当たりの上限額は30億円(40億円) |
B. オーダーメイド型事業
事業要件 | 機械設計が伴う設備又は事業者の使用目的や用途に合わせて設計・製造する設備等(オーダーメイド型設備)へ更新等おこなう事業です。 |
補助対象設備 | (b)オーダーメイド型設備 設計図書などの納品物がある物が条件です |
省エネルギー効果の 要件 | 申請単位において、原油換算量ベースで以下いずれかの要件を満たす事業 ①省エネ率+非化石割合増加率: 10%以上 ②省エネ量+非化石使用量: 700kl以上 ③エネルギー消費原単位改善率:7%以上 ※複数の対象設備((a)先進設備、(b)オーダーメイド型設備)を組み合わせて申請する場合、各設備の省エネ効果の合算値で上記要件を満たす必要があります ※非化石転換の場合も増エネ設備は対象外です。 |
補助対象経費 | 設備費、設計費、工事費 |
補助率 | 中小企業者等:2/3以内 大企業・その他:1/2以内 |
補助金限度額 | 【上限額】15億円/年度(20億円/年度) 【下限額】100万円/年度 ※複数年度事業の1事業当たりの上限額は20億円(30億円) ※連携事業は30億円(40億円) |
C. 指定設備導入事業
事業要件 | SIIがあらかじめ定めたエネルギー消費効率等の基準を満たし、SIIが補助対象設備として登録及び公表した15の指定設備へ更新をおこなう事業です。 |
補助対象設備 | (c)指定設備 <ユーティリティ設備> ①高効率空調(産業・業務用エアコン等) / ②産業ヒートポンプ / ③業務用給湯器 ④高性能ボイラ / ⑤高効率コージェネレーションコージェネレーション / ⑥低炭素工業炉 / ⑦変圧器 / ⑧冷凍冷蔵設備 / ⑨産業用モータ / ⑩制御機能付きLED照明器具 <生産設備> ⑪工作機械 / ⑫プラスチック加工機械 / ⑬プレス機械 / ⑭印刷機械 / ⑮ダイカストマシン ※上記に該当しない「その他SIIが認めた高性能な設備」として指定した設備も対象となります |
省エネルギー効果の 要件 | SIIが補助対象設備として登録及び公表した指定設備を導入すること |
補助対象経費 | 設備費 |
補助率 | 中小企業者等:1/3以内 大企業・その他:1/3以内 |
補助金限度額 | 【上限額】1億円/事業全体 【下限額】30万円/事業全体 ※複数年度事業は対象外 |
D. エネルギー需要最適化対策事業
事業要件 | SIIに登録されたエネマネ事業者と「エネルギー管理支援サービス」を契約し、SIIに登録されたEMSを用いて、より効果的に省エネルギー化を図る事業です。 ※EMSとは、エネルギーマネジメントシステムのことで、エネルギーの使用状況を管理し、最適化する監視・制御システムのことです。 |
補助対象設備 | (d)EMS機器 |
省エネルギー効果の 要件 | 申請単位で、「EMSの制御効果と省エネルギー診断等による運用改善効果」により、原油換算量ベースで省エネルギー率2%以上を達成すること |
補助対象経費 | 設計費、設備費、工事費 |
補助率 | 中小企業者等:1/2以内 大企業・その他:1/3以内 |
補助金限度額 | 【上限額】1億円/事業全体 【下限額】100万円/事業全体 ※複数年度事業は対象外 |
申請補助金別その他申請要件
「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金」(A.B.D事業対象)
- 投資回収年数が5年以上であること。
- 「エネルギー使用量が1,500kl以上の工場・事業場」と「中小企業者に該当しない会社法上の会社 (株式会社、合名会社、合資会社、合同会社、有限会社)
※みなし大企業を含む」は、省エネ法に 基づき作成した中長期計画等に記載されている事業であること。 - 経費当たり計画省エネルギー量が補助対象経費1千万円当たり1kl以上の事業であること。
- 導入した補助対象設備の1年間のエネルギー使用量と省エネルギー効果を報告できること。
- トップランナー制度対象機器を導入する場合はトップランナー基準を満たす機器であること。
「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」(D.事業のみ対象 ※ただしD.事業のみの単独申請はできない為、C.事業と組み合わせる必要があります)
- 投資回収年数が5年以上であること。
- 「エネルギー使用量が1,500kl以上の工場・事業場」と「中小企業者に該当しない会社法上の会社(株式会社、合名会社、合資会社、合同会社、有限会社)
※みなし大企業を含む」は、省エネ法に基づき作成した中長期計画等に記載されている(c)指定設備または(d)EMS機器を導入する事業であること。 - 経費当たり計画省エネルギー量が補助対象経費1千万円当たり1kl以上の事業であること。
- 導入した補助対象設備の1年間のエネルギー使用量と省エネルギー効果を報告できること。
その他
- 補助対象企業の「中小企業者等」とは、中小企業者(中小企業基本法第2 条に規定する中小企業者であって、みなし大企業を除 く)」、「個人事業主」、「中小企業団体等」及び「会社法 (平成17年法律第86号)上の会社(株式会社・合名会 社・合資会社・合同会社・有限会社)以外(医療法人、社 会福祉法人、NPO法人 等)であり、かつ従業員が300人 以下の法人のことです
- 補助対象企業の「大企業」とは、会社法(平成17年法律第86号)上の会社(株式会社・合名会社・合資会社・合同会社・有限会社)であり、「中小企業者」、「みなし大企業」のいずれにも該当しない法人です。公募内容により、その他要件があります。
採択事例と設備投資例
※参照:SII令和5年度 先進的省エネルギー投資促進支援事業活用事例より
業種 | 新事業の内容 | 主な投資内容 | 補助対象経費 | 補助金額 |
製造業 | 高効率冷凍機の入替と冷熱システムの統合 | ・高効率型アンモニア冷凍機 ・システムの統合 | 2億7,720万円 | 9,240万円 |
製造業 | 加工品質及び生産性を向上のため既存設備を更新 | シンプレックステンター | 9,670万円 | 3,220万円 |
廃棄物処理業 | 省エネ設備への更新 | ・油圧プレス機 ・攪拌機 ・コンベヤ | 4,455万円 | 2,227万円 |
宿泊業、飲食サービス業 | 温泉排湯と冷房排熱を有効活用し省エネ化 | ・水熱源ヒートポンプチラー ・蓄熱槽 ・熱交換器 | 1億5,440万円 | 5,150万円 |
卸売業、小売業 | 店舗全体設備を省エネ設備へ総入れ替え | ・インバータ式冷凍機 ・高効率ショーケース ・LED証明 ・エネルギーマネジメントシステム(EMS) | 8,610万円 | 2,870万円 |